アバックヨだ。
SANKYOの新機種、フィーバーマクロスΔのスペック情報が出ているな。
シンフォギアタイプのライトミドルで設定なし・設定付きの同時販売。
さっそく詳細を見てみよう。
PフィーバーマクロスΔ スペック・継続率・出玉詳細
設定なしver
低確率 | 1/199.8 |
高確率(小当たり確率) | 1/6.1 |
アタッカー性能 | 12個賞球×10カウント |
タイプ | 1種+2種 |
特図1 | ||||
ラウンド | 割合 | 払い出し出玉 | 電サポ回数 | 大当たり期待度 |
9R大当り | 20% | 1080個 | 5回(+残保留4個) | 約80.4% |
4R大当りA | 10% | 480個 | 99回 | 約39.1%+α |
4R大当りB | 70% | 480個 | 99回 | 約39.1%+α |
特図2 | ||||
ラウンド | 割合 | 払い出し出玉 | 電サポ回数 | 大当たり期待度 |
10R大当り | 50% | 1200個 | 5回(+残保留4個) | 約80.4% |
8R大当り | 2% | 960個 | 5回(+残保留4個) | 約80.4% |
6R大当り | 3% | 720個 | 5回(+残保留4個) | 約80.4% |
5R大当り | 45% | 600個 | 5回(+残保留4個) | 約80.4% |
リアルボーダーライン
リアルボーダーラインとは
計算上の数字ではなく、ホールでの営業データを基に算出した「リアルな」ボーダーライン。
ホールでの平均的な使用状況における、出玉率100%になる千円スタートのことなので、いわゆる「等価ボーダー」と同じ意味になる。
リアルボーダーライン : ???回 / 1000円
※リアルボーダーラインはホールへの導入後に記載します。
設定付きver
設定1 | 設定4 | 設定6 | |
低確率 | 1/199.8 | 1/178.1 | 1/169.8 |
※他の数値はすべて設定なしverと共通。違いは低確率が3段階設定になっていて設定差があることのみ。
解説
上記のように、設定なしと設定付きの違いは設定による低確率の差のみ。
よって以下の記載はすべて設定なしを基に記載する。
■初回大当たり時:
最大の特徴はここになる。
初回大当り時、まず20%の9R大当りに当選すればRUSH直行。
これは問題ない。
問題は残りの4R大当り。
通常の1種+2種タイプなら、ここは時短1回+残保留4個の5回転での突破ゲームになるのが主流だが、本機種は時短99回転がついてくる。
時短99回転は特図1での抽選になるので、通常の1種+2種の突破ゲームと異なり、
- 1/199.8に対しての時短99回転
で大当りを狙うことになる。
大当り当選時の割り振りも特図1、つまり通常時と同じになるため、
- RUSH突入するのは20%の9R大当り当選時のみ
- 残りの80%の4R大当り時は、再度時短99回転に移行
となる。
これだけで考えると、RUSH突入率は、20%の直撃大当りと時短引き戻しからの20%の直撃大当たり当選しかなく、合算で考えても、
- RUSH突入率は約30%程度
になる。
本機種ではそれに加えて、
- 時短99回転中に特図2を回してRUSH直撃抽選を行う、ルンピカゾーン
を搭載している。
ルンピカゾーンに当選時は、特図2を1回転させることができるため、1/6.1に対して1回転で、
- 約16.4%
の抽選を受けることができる。
こちらで当選した場合は、特図2、つまりRUSH中と同じ大当りになるので、必ずRUSHに突入することになる。
このルンピカゾーンの突入率が、4R大当りA、4R大当りBで異なっており、
- 10%の4R大当りA : ルンピカゾーンに突入しやすい
- 70%の4R大当りB : ルンピカゾーンに突入しずらい
となっているため、同じ4R大当り時でも、RUSH突入期待度の異なる2つの状態が存在することになる。
合算の初回大当り時のRUSH突入率は約46%ということなので、その数値から考えると、
- 9R大当り : 20% : RUSH突入率100%
- 4R大当りA : 10% : RUSH突入率約60%
- 4R大当りB : 70% : RUSH突入率約25%
だいたいこれくらいになると思われるので、
- 4R大当りA : ルンピカゾーン突入率 約1/25 (時短99回転で4回程度突入)
- 4R大当りB : ルンピカゾーン突入率 約1/100 (時短99回転で1回程度突入)
おそらくはこれくらいの設計値になっていると思われる。
いろいろとややこしいことを書いたが、要は、
- 大当たり時の約46%でRUSH突入する
という性能だということだ。
■RUSH中:
RUSH中は極めてシンプル。
時短5回転+保留4個で大当りを狙うオーソドックスな1種+2種タイプで、
- RUSH継続率 約80.4%
- 大当り時平均出玉 約910個
となっている。
非電動役物を使ったシステム解説
初回大当たり時に、通常の1種+2種と異なり、特図1抽選による時短99回を実現するために、非電動役物を使った特殊なシステムを搭載している。
内容としてはニューギンの義風堂々がやっていたものと同じになるが、それを1種+2種でやったというところが予想外というか斬新というか・・・
細かい部分に関しては実機を確認しないとわからない点があるのだが、義風と同じであることは間違いないので、ざっとシステムを解説してみよう。
ポイント1:電チューの内部構造が違う
普通の機種だと、時短中は
- スルー通過 ⇒ 普通図柄が当選 ⇒ 電チューが開放
となる。
ここまでは本機種も同じ。
違うのは、
- 電チューの内部構造
だ。
普通の機種は電チューの中には、
- 特図2の始動口
があり、「電チュー入賞=特図2が変動」となる。
本機種は、特図2の始動口はなく、そのかわりに、
- 特図1の入賞口(非電動役物)を開放させる入賞口
- 特図2の入賞口(非電動役物)を開放させる入賞口
- どちらの入賞口に玉が向かうかを振り分ける装置
がある。
さらに、盤面右には、
- 特図1の入賞口(非電動役物)
- 特図2の入賞口(非電動役物)
があり、電チュー内部のそれぞれを開放させる入賞口に玉が入賞すると、対応した非電動役物が開放する。
その非電動役物に玉が入賞することではじめて、対応した特図1・特図2のいずれかが変動するという形になる。
非電動役物は玉が1個入賞すると閉鎖。
その後、再度電チュー内のそれぞれを開放させる入賞口に玉が入賞すると、また開く。
これを繰り返して、時短変動が行われることになる。
ポイント2 : なぜこんなややこしいことをするのか
電チューと呼ばれる普通電動役物は、
- 1機種で1つしか設置できない
と規則で決まっている。
したがって、普通なら時短中の電チュー入賞で特図1・特図2を両方変動させることはできない。
これを打破し、時短中であっても「特図1用チューリップ」「特図2用チューリップ」を設置するためにこのようなシステムを使っている。
非電動役物自体の説明を厳密にやりだすとキリがないので割愛するが、簡単にいうと、
- 電動ではなく物理、つまり、他の入賞口に玉が入賞した際に、その玉の重みでスイッチが入って開放する役物のこと
- 閉鎖するときも電動ではなく、非電動役物に玉が入賞した際に、その玉の重みでスイッチが入って閉鎖する。
このようなものになる。
ポイント3 このシステムのメリット
このシステムの最大のメリットは、
- 大当たり時の図柄の種類によって、特図1・特図2のどちらを回すのかやその割合を自在に制御できること
だ。
それを実現しているのが、先に説明した、電チュー内にある
- どちらの入賞口に玉が向かうかを振り分ける装置
電チューに入ってすぐのところに、玉を
- 特図1の入賞口(非電動役物)を開放させる入賞口に向かわせるのか
- 特図2の入賞口(非電動役物)を開放させる入賞口に向かわせるのか
を振り分ける装置がついている。
イメージとしては、羽根物を想像してもらえばいい。
羽根物では、羽根に拾われたタイミングで、
- ノーマルルートに向かう場合
- SPルートに向かう場合
を振り分ける装置がついているものが多いが、要はあれと同じ。
電チューが開放する瞬間を0として、
- 最初の3秒間は特図1非電動役物を開放させる入賞口側に玉が向かう。
- 3秒経過後は特図2非電動役物を開放させる入賞口側に玉が向かう。
たとえばこんな感じの振り分け装置がついている。
羽根物の場合は、どちらに向かうのかを羽根が開放してから玉を拾うまでのタイミングで振り分けているが、本機種のシステムの場合、
- 電チューの開放パターンを変えることで意図的に制御している
という形になる。
たとえば、上記の振り分け装置だとして、
- 電チューが3秒しか開放しない場合 : 必ず特図1側にしか向かわない
- 電チューが最初に超ショート開放(入賞できない)して、その後、3秒経過してからガッツリ開く : 必ず特図2側にしか向かわない
例えばこういうことが出来る。
つまり、電チューの開放パターン次第で、特図1が回る場合と特図2が回る場合を完全にコントロールすることができるわけだ。
この電チューの開放パターンに関しては、
- 当選した普通図柄の種類によって、開放パターンは自由に設定することができる
- 要は、普通図柄A当選時は特図1を開放させる側に、普通図柄B当選時は特図2を開放させる側に玉を流すような開放パターンにできる
さらに、
- 普通図柄A・Bそれぞれの当り割合(実質それぞれの大当り確率)を、時短突入時の大当り図柄によって変えることができる
こういったことを行うことが可能だ。
これにより、本機種の場合は、
- 特図1の9R大当りや特図2大当り当選後の時短中は、特図2を開放させる側にしか玉が流れない普通図柄Bだけが当選する。
- 特図1の4R大当りAの場合は、普通図柄当選時の1/25程度(推定)で、普通図柄Bが当選する。他は普通図柄A。
- 特図1の4R大当りBの場合は、普通図柄当選時の1/100程度(推定)で、普通図柄Bが当選する。他は普通図柄A。
といったことを実現している。
シンフォギア・あの花との性能比較
タイプ的に近いのは、やはりシンフォギア。導入時期が近い機種ではあの花だろう。
比較してみよう。
Pあの花 | PマクロスΔ | シンフォギア | |
低確率 | 1/231.6~1/153.3 | 1/199.8 | 1/199.8 |
初当り時平均出玉 | 約510個~486個 | 600個 | 約400個 |
RUSH突入率 | 約51.74%~49.75% | 約46% | 約51.6% |
RUSH時平均出玉 | 約935個 | 約910個 | 約874個 |
RUSH時継続率 | 約79.50%~80.07% | 約80.4% | 約79.7% |
RUSH性能はどの機種も横一線といったところ。
マクロスΔは初回大当りの9R大当りの分、初当り時平均出玉が多いが、その分RUSH突入率が低い上に、他機種と違い時短99回転。
実際には99回転中に多少なりとも玉減りすることは確実なので、そう考えると性能的には本当に差がない形に感じるな。
攻略の可能性
実機を見ていないので確実なことはわからないが、システム的に考えられる点がいくつかある。
あくまで現時点での俺の想像レベルの話として読んでほしい。
RUSHの最後に1回転余分に回せるのでは?
内部システムを理解している人の場合、まず最初に考えるのがこれだろう。
1種+2種のRUSHシステムなので、最後の1回転は、
- 時短最終変動+残保留4個
による抽選をまとめて行うタイプになっている。
普通の機種なら時短が終了した時点でもう電チューは開かないので、これ以上特図2の保留を貯めることができないが、本機種の場合、
- 時短最終変動で保留を4個貯めた後、特図2の非電動役物を開放させたままにしておく(開放した後、止め打ちして非電動役物に入賞させない)
- 保留消化後に打ち出して、非電動役物に入賞させることで、もう1回転余分に特図2を変動させることができる
こういうことが出来る。
普通に考えれば「どう考えても出来る」
特図2の入賞口は非電動役物なので、玉が入賞しない限り閉じることが出来ないからだ。
電気制御で閉じるなら、それは電動役物になるので、規則違反になる。
ただ、もしこれが出来る場合、1種+2種のRUSHが1変動余分に回せるわけだから、攻略効果は絶大且つ超簡単。
さすがに何か対策を講じている可能性は高いが、正直、俺にはどう考えても防ぐ方法は思いつかない。
時短最終変動の変動時間が短くて、物理的にそんなことをしている時間がないとかなら可能だが、それをすると逆に保留4個が貯まらないケースが出てくるからな・・・
SANKYOはたまに(モーレツパイレーツやタイガーマスク)、俺達には出来ないことを平然とやってのける系のメーカーなので、またアッと驚く対策を講じているのかもしれないが、この点に関しては、今後の情報か実機確認できるタイミングを待ちたいところだ。
時短中の普通図柄回し
時短中は、普通図柄で特図2が開放する側に玉が流れる図柄に当選すると、ルンピカゾーンが発生して大当り&RUSH突入のチャンスになる。
つまり、99回転中にできるだけ多く普通図柄を回すほど、大当り&RUSH突入期待値が上がることになる。
ここでまず思いつくのが、
- 止め打ちして、特図1側に玉が流れる普通図柄当選時は電チューに入賞させないことで、特図1を回さずに普通図柄の抽選回数を増やす
ということだろう。
時短は、特図1・特図2が99回転しない限りは終わらないので、なるべく特図1を回さずに普通図柄の抽選だけをさせることができれば、とんでもない攻略効果になる。
ただ、さすがにこれは、
- 止め打ちしても普通図柄のゲートを通過した玉がそのまま電チューに入賞するゲージ構成
にすることで対策されているだろう。そうでないと機種として成立しないレベルなので。
ただ、時短中に少しでも多く普通図柄を回すことが出来れば、それが攻略に直結するシステムであるのは間違いないはずなので、ホール側の人間は注意はしておいた方がいいだろう。
同時に、ユーザーには、時短中の止め打ちは損をする可能性が高いということを伝えておきたい。
特に、リーチ演出中などの長時間の止め打ちは、その分、普通図柄の抽選機会を減らすことになるので、注意した方がいいだろう。
まとめ
正直、謎というか疑問に思うことが多いスペックだ。
まず、なぜ非電を使ったややこしいシステムを搭載したのか。
このシステムの先駆者はニューギンの義風堂々だが、義風堂々はこのシステムを使うことで、確変状態を2種類(通常確変と出玉性能の高い超確変)作り出し、超確変中の出玉性能の高さを売りにしていた。
マクロスΔは上記の比較記事のとおり、出玉性能的には他機種と比べてそこまで大きなストロングポイントはない。
シンフォギアでユーザーが魅力に感じているポイントの1つである、初回大当り後の最終決戦のゲーム性を、冗長にして改悪しただけと言うことすらできる。
短時間出玉対策ということ以外には考えられないが、ライトミドルのシンフォギアタイプの出玉性能ならここまでしなくても適合は見込めるし、アクエリオンW最終決戦verを開発しているのだから、SANKYOもそれは良くわかっているはず。
おそらくは設定付きを適合させるためによりシビアに設計しようとした結果なのだろうが・・・
もう1つの謎はその設定付きのスペック。
カタログスペック的には、設定なしのスペックと設定1のスペックがまったく同じになっている。
設定付きがユーザーに支持されない理由はいろいろと考えられるが、その中の1つとして、低設定の出率が設定なし機より辛いことで、設定がユーザー側にデメリットでしかないという点がある。
実はゲージ構成が違って設定付き機はゲージ設計が辛いとかいうことがなければ、本機種の設定は「甘い」方にしかついていないわけで、これは非常に興味深い内容と言える。
なにはともあれ、マクロスシリーズの最新作ということで、注目度は高い機種だろう。
今後の情報を楽しみに待ちたい。
過去の「新台スペック情報」の記事はこちら!