ぶちゃけてぃです。
某機種、業界ブログ等でさまざまな話が飛び交っていますね。
それらの情報を見させていただいて、いろいろと思うところがあるので、今日はその件を記事にしたいと思います。
①設計値の資料にかんして
楽太郎様がツイッターで以下のような資料を展開されています。
カイジ設計値。ビッグデータ上では稼動40000個水準、台売上65000円水準、台粗利20000円水準、出率90%水準、千円20.90回水準。 pic.twitter.com/TPLOtWyJQU
— 楽太郎 (@geneki_tentyou) 2018年6月6日
某機種で問題になっているのが、
- 営業段階で聞いていたのと小当たりRUSHの性能が違う。
- 小当たりRUSH中の1回転あたりの純増数が少ない。
- そのため、TYが異常に辛い。出玉性能も時速も低い。
という点だと思います。
この資料は、メーカー側が配布した設計値の資料だと思いますので、まずはこの資料に記載されている内容を精査してみます。
資料を見ると、小当たりRUSH中(特別状態と記載)の入賞割合に関して、
1分間(100発)発射中、
- 右入賞口(賞球3)に4.64個
- 始動口2(賞球1 電チュー)に28.16個
- 大入賞口(賞球12)に25.70個
以上の入賞割合になると記載されています。
この入賞数にそれぞれの賞球をかけたものを合計すると、
- 350.48
という払い出し数になります。
つまり、100発打ち出すと、350発払い出されるわけですから、1分間の純増数は250個になります。
小当たりRUSH中のSAを24前後とすると、1変動当たりの純増数は、
- 10.41個
となります。
資料内に、特別状態の出玉率が350と書かれていますが、この数字とも一致しますね。
この資料が営業時にどのような形で配布されたものなのかはわかりませんが、少なくとも、この資料に書いてある数字だけを見るならば、
現在、実際に市場でデータとして挙がってきている小当たりRUSHの性能とは乖離してはいないということが言えると思います。
②営業内容について
以下の2つのブログに、某機種の営業段階でのやりとりが記載されています。
詳細な内容はリンク先のブログ様を見ていただくとして、営業時に担当営業マンから、
- 小当たり1回あたりの純増は約17個。
- 小当たりの期待値は差玉で約2000発弱。TYは4000発程度。
- 時速30000発オーバー。
- 試打した展示台では、それ相応の出玉性能があった。
- 展示台の横にはキッチンタイマーがついていて、10分ほどの打ち込みでちゃんと5000発出た。
このような説明があったと記載されています。
もしこちらに書かれていることが事実なら、実機の性能とは大きく乖離していることになります。
私はホール様側の立場で勤務した経験はありませんので、想像することしかできませんが、おそらく、
「営業マンが話したこと」
だけを鵜呑みにして、出玉性能を信じたという人はいないのではないかと思います。
上の2つのブログ主様も書かれていますが、
- 展示台を試打した時に、営業マンが説明したとおりの性能が確認できた
から、多くの法人が期待して実機を購入したのではないかと思います。
そう考えると、今回の最大の問題点は、
- 展示会で試打した機械と、市場導入された実機で性能が異なっている
という点になるのではないかと思います。
メーカー開発側の視点から、そのようなことが起こる可能性を考えてみると、2つのパターンが考えられます。
①展示会で試打した機械の中身を変更していた。
某機種のゲージ構成的に、小当たりRUSHの純増スピードを上げるためには、電チューの開放パターンを変えるのがもっとも効果的です。
アタッカーが電チューよりも後ろにあるゲージ構成のため、電チューの開放パターンを変えて電チューへの入賞率を下げれば、その分、アタッカーへの入賞が増えるので、純増数は増えます。
②小当たりRUSH中ではない部分を見せていた。
某機種は、大当たりすると一連の演出すべてを小当たりRUSH中と変わらない表現で演出していますが、実際には以下の3つの状態に分かれます。
- 初回大当たり時の大当たり中
- 小当たりRUSH中
- 2連目以降の確変大当たり中(無敵ゾーン中)
この中で一番出玉スピードが速いのは、アタッカーがフル開放する3の無敵ゾーンですが、この時はギミックが落下したままの状態になるなど、他の2つとは明らかに異なる見た目になります。
1と2は、見た目的にはまったく同じ演出です。
1は大当たり中ですが、アタッカーをフル開放させず、小当たりRUSHのようにパカパカ複数回開放させているので、そういう意味でも「展示会で初めて、しかも短時間だけ【見せられた】時に違いを認識するのは困難」だと思われます。
ただ、実際には大当たり中と小当たりRUSH中なので、以下の違いが発生します。
- 1は、アタッカーの開閉が常時一定で安定している。2は、演出発生して変動時間が延びれば、その間、アタッカーは開かないなどのムラがある。
- そもそも1の方がアタッカーの1回の開放時間が少し長いなど、2より性能が高い可能性がある。
以上のことから、同じ小当たりRUSH中に見えても、2より1の方が純増スピードは速いと思います。
要は、小当たりRUSH中ということで一連の流れを実機で見せられたとしても、消化中のすべてが「本当の小当たりRUSH中」ではなかった可能性があるし、その場合、純増速度やアタッカーへの入賞割合などは、本当の小当たりRUSHだけの性能よりも、上に感じられたと思います。
つまりどういうこと?
①の場合は、完全に「嘘をついている」ことになるのでかなり悪質です。(「見本機なので実際の性能とは異なります」とかの説明が事前にあれば別ですが。)
②の場合は、その時の営業マンのトークの内容次第では、「嘘はついていない」可能性があります。
すべてを「小当たりRUSH中」と言っていれば問題ですが、
「RUSH中」とかなら嘘はついていないですしね。(それが正当な営業行為かどうかは置いておいて)
この件に関しては、「本当に展示会の時の実機の性能が市場のものと異なっていたのか」という部分が私にはわからないので、これ以上はなんとも言えませんが、
仮にそのようなことが実際にあったのであれば、考えられる可能性は上記のようなケースかと思います。
いずれにせよ、1つ確実に言えることは、
- 営業マンの口頭での説明
- 実機とは異なるROMの営業用の見本機
これらの情報だけで性能面の判断をするのは危険であるということです。
紙でもデータでも良いですが、「しっかりとした資料」がないものに関しては、すべて「盛られている」くらいに考えて接する方が、あとで後悔することがないと思います。
③内部のあれこれ
4号営業マン様が以下のようなツイートをしておられます。
今回の一件で、機械を買って頂いたお客さん(ホール)の為に会社に苦言や文句を言えば自宅謹慎や解雇ですか…
今出勤を許されてるのは従順なイエスマンのみ
リアル帝愛グループやないか…えっぐ
裁判沙汰や事務所監禁等色々噂はあるけど内部はかなり滅茶苦茶やろな
ブラック過ぎて引くわ(´・ω・` pic.twitter.com/HWtPu9ASfV
— 4号営業マン(´・ω・) (@King__Gulf) 2018年6月14日
具体的に何のことなのかはさっぱりわかりませんが、元メーカー開発として確実に言えることは、
- どこのメーカーもこんなもの
の一言です。
以前、こちらの記事でも少し触れました。
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パチンコメーカーの大多数が、「一族経営」の「非上場中小企業」です。
それによるメリットもいろいろとあるのですが、デメリットももちろん存在します。
その最たるものが、このツイートに書かれているようなことです。
そうした形態の企業である以上、「役員及びその取り巻きたち」や、彼らが決めた「会社の方針」に正面から意見するのは、かなりの危険を伴います。
とはいえ、このツイートに書かれているほど極端なケースは私もあまり聞いたことがありませんので、これがもし本当なら、まさに「リアル帝愛」といえると思います。
最後に1つ、開発サイドで聞く噂を書いておくと、
- 某会社は、社長の介入が激しい開発ラインと、別の現場クラスの人間が統括している開発ラインが分かれている。
- 某萌え系機種などの稼働が良い機械は、社長の介入が激しくない方の担当。
だそうです。あくまで噂ですが。