ぶちゃけてぃです。
今日は、パチンコメーカー就職シリーズ③の後編ということで、非上場のパチンコメーカーの経営状況から書いていこうと思います。
前編はこちら。
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パチンコメーカー就職③ 『パチンコメーカーの経営状況はどうですか?』前編
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パチンコメーカー就職シリーズ③ パチンコメーカーの経営状況 ~非上場企業編~
前編で書いた、現在継続してパチンコ機を製造・販売しているメーカーの数は16社でした。
その中で上場企業は5社。
残りの11社が非上場企業になります。
非上場企業は決算が公表されないため、財務状況等を調べるのが非常に難しいですが、1つ、指標にできるデータがあります。
それは、各メーカーの年間販売台数のランキングです。
まずはそちらの数字を見ていきたいと思います。
以下、直近3年間のランキングになります。
2015年メーカー別パチンコ販売台数ランキング
1位 | サンセイR&D | 約31万台 |
2位 | SANKYO | 約28万台 |
3位 | 三洋物産 | 約26万台 |
4位 | 平和 | 約24万台 |
5位 | ニューギン | 約22万台 |
6位 | 京楽産業 | 約18万台 |
7位 | サミー | 約13万台 |
8位 | 藤商事 | 約10万台 |
9位 | 高尾 | 約6万台 |
10位 | ユニバーサル | 約4万台 |
2016年メーカー別パチンコ販売台数ランキング
1位 | 三洋物産 | 約38万台 |
2位 | SANKYO | 約24万台 |
3位 | サンセイR&D | 約22万台 |
4位 | サミー | 約20万台 |
5位 | 平和 | 約18万台 |
6位 | ニューギン | 約15万台 |
7位 | 藤商事 | 約9万台 |
8位 | 高尾 | 約4万台 |
9位 | 西陣 | 約3万台 |
10位 | 大一商会 | 約3万台 |
2017年メーカ別パチンコ販売台数ランキング
1位 | 三洋物産 | 約32万台 |
2位 | 京楽産業 | 約17万台 |
3位 | サミー | 約15万台 |
4位 | サンセイR&D | 約14万台 |
5位 | 平和 | 約11万台 |
6位 | 藤商事 | 約10万台 |
7位 | ニューギン | 約10万台 |
8位 | SANKYO | 約9万台 |
9位 | 高尾 | 約4万台 |
10位 | 大一商会 | 約4万台 |
※こちらの記事に過去10年分のメーカー別販売台数ランキングがまとめてあります。
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パチンコメーカー年間販売台数ランキング(過去10年分)まとめ。上位8社の独占状態がはっきりと浮き彫りに!
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前編で記載しましたが、上場企業である、「SANKYO」「平和」「サミー」「藤商事」「ユニバーサル」は決算等の財務情報がすべて公開されています。
ですので、それらの企業と比較して販売台数が多いのか少ないのかを見ていけば、おおよその経営状況を推測することは可能です。
このランキングを見ていただければわかるとおり、大きな特徴が、
- 会社間の格差が非常に激しい
- ランキング上位と下位での販売台数の差も激しい
ということです。
順位の入れ替わりこそあれ、ランキング上位の顔ぶれはほぼ固定されており、パチンコメーカーは、
大手数社による独占市場
であるというのが現実です。
そうなる理由は、現在のパチンコ業界市場の偏りが原因です。
現在、販売されて「売れる機種」は、
ヒット機種の続編機
にほぼ限定されています。
よほどの大型版権なら別ですが、基本的には、新規のタイトルはほとんと売れないと思って間違いありません。
したがって、
- 続編を出せるヒット機種シリーズをいくつかかえているか
- 10万台レベルの販売が狙える「メガヒットシリーズ」をもっているか
この2点がそのまま企業の業績に直結します。
ランキングを見ていただくとわかるとおり、パチンコメーカーの中で業績トップの企業は「三洋物産」です。
海シリーズという超メガヒットシリーズを保有しており、販売台数的にも市場設置シェア的にも頭1つ抜けた存在です。
たとえば、この三洋物産などは、非上場企業ではありますが、上場企業5社すべてを上回る販売実績を毎年上げているわけですから、財務状況、経営状況は盤石といってよいでしょう。
一方、このランキングにまったく登場していないようなメーカーは、少なくとも売り上げ的にはかなり小規模な部類に入ることは間違いありません。
また、このデータでわかるのは、あくまで「販売台数=売上高」のみなので、「利益」という観点で見た場合は、実は苦しいメーカーもあるかもしれません。
非上場企業に関しては、確実な情報を得る方法はありませんので、
- 年間販売台数
- ヒット機種シリーズをいくつ保有しているか
この2つの情報を参考に、各社の状況に自分なりにあたりをつけ、あとは面接や会社説明会時に納得いくまで話を聞いた上で判断することをお勧めします。
また、極々一部ですが、官報に決算公告を載せているメーカーもありますので、そちらを調べてみるのもいいかもしれません。
非上場企業のリスクに関して
非上場企業の場合、1つ、上場企業と比較してリスクの高いファクターがあります。
非上場のパチンコメーカーのほぼすべてが、創業者の一族による血族経営です。
よって、極端な話、その一族の判断だけで、ある日突然、「会社潰します」ということが起こりえます。
実際に、パチンコメーカーで唯一破産した「奥村遊機」が、最後はこのパターンだったようです。
もちろん前提として経営が苦しいということはあるのですが、そこから、「会社や社員のためになんとか頑張ろう」という判断をするのか、「もういいや。やーめた」という判断をするのか、その最後の部分が、創業者一族の主観のみで決定されるわけですが、事前に自社の経営陣がどちらのタイプなのかを知ることは不可能です。
また、非上場企業で経営陣が一族で占められているということは、たとえば1年間で会社として100の利益があったとして、そのうちのどれほどの額が経営陣に流れているのか、これも知ることは難しいです。
これはパチンコメーカーに限った話ではないのですが、「非上場」の「一族経営」の「中小以下の企業」というものは、極端な話、「一族の私物にすぎない」というくらいの認識はもっておいた方が良いと思います。
厳密にいえば、これらのリスクは上場企業であっても存在します。
そもそも、「会社に雇われる」という行為自体が、「他人の組織に入れてもらう」ということでしかないのですから。
ただ、非上場企業の場合は、よりそのリスクが高いといえますし、パチンコメーカーの特に大手の場合は、売上等の規模が大きいため、そういったリスクを忘れてしまいがちになりますので、こういったこともしっかりと認識した上で、経営状況や将来性をよりシビアに判断することをお勧めします。
まとめ
前回の記事で、パチンコメーカーは、
- 斜陽産業であることは間違いなく、今後も当分の間、その傾向は続く可能性が高い
- だが、その閉鎖性ゆえに、ガラパゴス化して生き残っていく強さをもっている
という2点を、私の結論として記載しました。
そして今回、パチンコメーカーの現状として、
- 市場規模が大きく縮小している割に、倒産している企業は少なく、底力がある
- メーカー間の格差は激しい
- 上位メーカーは財務状況もよく、シリーズ機をもっているので、今後もある程度は安定した販売台数が見込める
ということを書きました。
これらを総合して、パチンコメーカーを就職先として見た場合の私の結論は、
- 上位メーカーに関しては、他業界の企業と比較しても充分に魅力ある企業である
- 非上場企業は情報が開示されていないので、しっかりと情報を集めて経営状況をシビアに判断する必要がある
この2点になります。
今日の記事は以上となります。
次回は、パチンコメーカーの経営状況以外の情報。
労働環境や給与水準、人間関係などの、「働きやすさ」に関してまとめてみたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
過去のシリーズはこちら。
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