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アバックヨだ。
2月から試験開始していた、パチンコの新規則スペックの適合が出始めたようだな。
まだ噂レベルだが、俺の聞いている機種名と、あと、丁度良い機会なので、新規則になってスペックがどう変わるのかのまとめを記事にしたいと思う。
新規則で適合したと噂の機種名
俺が聞いている機種名は、以下の3つだ。
- 京楽:冬のソナタ(たぶん冬ソナRememberの甘デジ)
- SANKYO:ヴァルヴレイヴ(現行機種のスペック違い)
- 高尾:カイジ(沼のスペック違い)
この情報が本当なら、以下の特徴が見受けられる。
- すべてバージョン機で、完全な新機種はまだ適合していない。
- 確率帯も、甘デジなどの適合しやすいもの。
- 上記2つの特徴から考えるに、販売用というよりは、新規則での保通協試験を試してみるテスト申請的な意味合いが強い。
- そう考えると、おそらく、設定は有りで申請しているはず。
まあ、現段階でわかること、考えられることは、以上だ。
今回の規則改正は、規制緩和ではなく規制強化なので、旧規則のスペックがリリースされている間は、特に販売するメリットはないのだが、新規則1発目という肩書が欲しくて販売してくるメーカーがあるのかどうか、注目したい。
新規則スペックのポイント整理
せっかくの新規則の話題なので、今更ではあるが、新規則になってスペックがどう変わるのか、整理しておこう。
スペックに影響を及ぼす変更は、大きくまとめると以下の3つになる。
- 最大大当たりラウンドの規制(小当たりRUSHの期待獲得出玉も含む)
- 保通協の試験基準の変更
- 設定機能
この中で、新規則になってスペックがダウンすることになる最大の原因は、2の保通協の試験基準の変更と、3の設定だ。
1 最大大当たりラウンドの規制
1の「最大大当たりラウンドの規制」は、従来は最大16RまでOKだったものが、最大10Rに変更になる。
よって、1回の大当たりで獲得できる最大出玉が、
- 旧規則 : 16R×15個賞球×10c = 2400個
- 新規則 : 10R×15個賞球×10c = 1500個
となるため、900個減となる。
小当たりRUSHも同様で、1回の小当たりRUSHで獲得できる出玉の平均期待値を、1500個までにする必要がある。
また、これに合わせて、一般電役やリミッター機などの総量も引き下げになっている。
ただ、これはスペック性能そのものには、実はそれほど大きな影響を与えない。
もちろん、現市場の319タイプに多くある、RUSH中の大当たりはオール2000発とか、65%が2400発とかはできなくなるが、
- 最大出玉が減る分は、他の部分(初回当たり時の出玉や確変突入率、時短回数などなど)に回せば良い。
- 大当たり1回の出玉にこだわりたいなら、小当たりRUSHをつければ良い。そうすれば、3000個までの期待値のボーナスは可能。
- そもそも、シンフォギアや沖海4など、最大出玉が1500個程度で稼働の良い機種がいくらでもある。
つまり、この規制だけなら、開発する上でそれほど大きな問題にはならない。
2 保通協の試験基準の変更
大きな影響を与えるのは、こちらの変更だ。
一応、業界人ではない読者も意識して簡単に説明しておくと、パチンコを販売するためには、保通協という機関の行う試験をクリアして適合をもらう必要があるが、その保通協で行う実射試験の、合格基準が変更になっている。
旧規則 | 新規則 | |
短時間試験 出玉率下限 | 下限なし | 34%以上 |
短時間試験 出玉率上限 | 300%まで | 220%まで |
中時間試験 出玉率下限 | なし | 41%以上 |
中時間試験 出玉率上限 | なし | 150%まで |
長時間試験 出玉率下限 | 51%以上 | 51%以上 |
長時間試験 出玉率上限 | 200%まで | 133%まで |
この基準変更が、とにかく厳しい。
まあ、すべてにおいて厳しいのだが、一番わかりやすい短時間試験を例にとってみよう。
短時間試験は、1時間実射をした時に、払い出された出玉の合計が、打ち出した玉の合計に対して、下限以上、上限未満でないと不適合となる。
1時間で発射できる玉の数は、6000発と決まっているので、
- 2000発以上の払い出しがないと、下限に届かず不適合
- 13200発以上の払い出しがあると、上限を超えて不適合
となる。
この試験基準を満たすために、通常考えられる対策が、
- 1時間、1回も大当たりしなくても不適合にならないよう、低ベースを34%以上にする。
- 上限を超えないよう、高確率を辛くするなどして、連荘スピードを遅くする。
この2点になる。その影響で、
- 低ベースが旧規則の機種より高くなるため、その分、大当たりした後の出玉性能は落とすことになる。つまり、現行機よりスペックダウンする。
- 連荘スピードを遅くする。つまり、現行機種より瞬発力が落ちる。
ということになる。
簡単にいうと、この影響で、新規則機は現行機より、スペックダウンした機種しか開発できないことになる。
そして、ここに加わるもう1つの問題が、「設定機能」である。
3 設定機能
パチンコにもスロットのような設定をつけることが可能になる。
それ自体は、新しいゲーム性に繋がる可能性もあり、必ずしも悪いことではないが、2で書いた「保通協の試験基準の変更」と合わさることで、大きなマイナスポイントが発生する。
「保通協の試験基準の変更」で問題なのは、試験基準が厳しくなったことで、現行機種(旧規則機)と同じスペック、性能の機械だと、実射試験で不適合になってしまうため、スペックダウンさせるしかないという点だ。
つまり、問題になっているのは、「適合率」なわけだが、「設定機能」をつけた場合、それによって、さらに保通協試験の適合率は下がることになってしまうのだ。
「設定機能」をつけたパチンコ機の場合、「最高設定」と「最低設定」の2つの状態で実射試験を行い、その両方が試験をパスしないと、適合にはならない。
たとえば、性能的に50%の適合率のスペックの機種を申請したとして、従来なら、その機種の適合率はそのまま50%だが、設定機能をつけた場合、たとえば、設定6なら適合率が25%、設定1なら適合率が50%だとすると、その機種の適合率は、12.5%まで落ちることになってしまう。
そのため、設定付きの機種の場合は、現実的な適合率にするために、設定なし機種よりもさらにスペックをマイルドにするしかなくなるため、その分、スペックダウンすることになってしまう。
冒頭で書いた新規則で適合したかもしれない機種が、すべて甘い確率帯の機種(という噂)であるのは、こういう理由がある。
甘デジならまだなんとかなるが、確率帯が辛くなるほど、設定をつけて魅力あるスペック設計をするのは、困難になっていくわけだ。
まとめ
新規則のスペックに影響を及ぼす部分を簡単にまとめると、このようになる。
「設定機能」については、今回書いたこと以外にも、いろいろと懸念点や問題点があり、なかなか一筋縄ではいかないところがあるが、そのあたりは、また機会があれば記事にしたいと思う。